2010年4月1日木曜日

青春ラジカセ

「NHK青春ラジカセ」というサイトに、かつて放送されていたNHK-FMの番組「サウンドストリート」がアーカイブされていることを知った。しかも、その公開が3月末で終了ということだったので、慌てて何本か聴いてみた。ちなみにこの記事を書いている4月1日午前4時現在、まだサイトは生きているようである。

アーティストや女優、音楽評論家といった人々がDJをつとめていたこの番組は、1978年から87年、つまり私が小学~中学生だった頃に放送されていたものである。当時継続的なリスナーではなかったが、折々に自然と耳に入ってきていた記憶がある。

81年3月に5回にわたって放送された「坂本教授の電気的音楽講座」は、坂本龍一がローランドMC-8というシーケンサーや、プロフェット5アープ・オデッセイといったアナログシンセサイザーを駆使して、当時としては最先端の電子音楽を制作していく過程を記録したものであり、非常に資料的価値の高いものだと思う。ドラムはチキチキというハイハット音だけをプロフェット5で作成して自動演奏し、他のパートは教授自身がドラムセットを叩いていた。また、シーケンサーへのデータ入力は、プログラマーが音を数値化し、キーを叩いて文字通り「打ち込んで」いた。

もちろん単純に比較すべきものではないが、最近観たこの動画では、applegirlと名乗る女性が、数台のiPhoneを使ってLady gagaの「Poker Face」を再現する様子が記録されていて、その手軽さに隔世の感をおぼえた。

80年12月放送の烏丸せつこDJの第一回では、冒頭、彼女に交代した先代DJ甲斐よしひろのファンから送られた抗議ハガキが読まれ「おまえなんか大嫌い!」という文面に対して烏丸が「私もあんたなんか大嫌い」とかえすという、スリリングな展開が繰り広げられていた。

87年3月放送の、佐野元春DJの最終回とその前回は、多くのリスナーと直接電話で会話し、番組や元春へのメッセージをもらうという内容だった。電話口に出てくるリスナーたちの声や言葉がとてもキラキラした感じで、素敵だった。

私の文体も若干80年代っぽくなってしまったようだが、昔のテレビ番組の動画をyoutube等で観る場合に較べ、ラジオ番組などの音源は、同じ年代のものであっても、より鮮度が高い気がする。

アナログメディアの信号劣化などは別として、動画の場合、たとえば画面の端々に映る衣装や髪型などから「印象の経年劣化」がはじまるのだろう。そして、大雑把にいえば、情報集積度の高いメディアのほうが劣化しやすいという法則がありそうな気がする。そういう意味では、俳句などは最も劣化しにくい類のものなのかもしれない。もちろん、はじめから劣っている場合はどうしようもない。

春雪や江ノ島姉妹解体ショー   中村安伸



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